○実行為替レートでは円高と言えず・・ドル・ユーロの下落目立つ○
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■2011年05月11日 ○ 実行為替レートでは円高と言えず・・ドル・ユーロの下落目立つ ○
☆ 目 次 ☆ 1.最新金融情報トピックス ~「知恵の木」流、日経ヴェリタス徹底解読~ ○ 実行為替レートでは円高と言えず・・ドル・ユーロの下落目立つ ○ 2.一緒に学ぼう、プラチナ時代のこと ~アラフォーの輝ける未来のために~ ○ プラチナ時代に備える資産作り~「ETF」ってなんですか~ ○ 3.ちょっと気になる話 ~ライフとマネーのQ&Aから~ ○ 住宅ローンの選択 ○ _________________________________________ 1.「知恵の木」流、日経ヴェリタス最新金融情報徹底解読 ● 実行為替レートでは円高と言えず・・ドル・ユーロの下落目立つ ● -2011年5月8日・日経ヴェリタスp18より伊藤誠の特選記事- 興味深い記事がありました。 「なぜ円高なのか」と聞かれた場合、私は以前から 「ドルとユーロが異常に弱く押し出されて円が強くなっている」 と説明をしてきました。 まず「実行為替レート」とは何でしょう。 日本人はUSドルに対して円高(円が強い)円安(円が弱い)と注目しますが 世界中には無数の通貨があります。 実行為替レートとは特定の通貨だけではなく、 世界中の通貨に対して「強い」「弱い」を表したものです。 (通貨の総合的実力) 2009年1月1日現在、世界中の通貨をすべて100の実力とした場合 2011年5月6日現在、 円の実力は104(主要8通貨中5番目) USドルは87(主要8通貨中最下位) ユーロは93(主要8通貨中7位で下から2番目) 主要国のなかで最も政策金利の低い円が大きく下落(円安・弱い)しないのは、 世界の通貨取引量の最も多いUSドルとユーロ (この2つだけで世界の70%前後)が 共に安値を維持しているから、とみることもできます。 通貨番付の最上位は オーストラリアドルは134(主要8通貨中1番目) 政策金利4.75% ブラジルレアルは130(主要8通貨中2番目) 政策金利12.00% 世界的に通貨の強弱を表現すれば オーストラリアドル・ブラジルレアル高 USドル・ユーロ安ということになります。 世界的に見れば円高にはなっていないということです。 もうひとつ注目すべきは スイスフランは116(主要8通貨中3番目) ということです。 安全通貨とされる日本円とスイスフランですが、 世界はスイスフランの方を支持しているということがわかります。 構造的な財政問題をかかえている日本に対して、 世界はリスクを感じ始めている可能性があります。 さて、ここからは将来予想です。 金融の世界では強い国の通貨が強く(高く)なり、 弱い国の通貨が弱く(安く)なるということは教科書に書いてある常識です。 強い国とはどのような国でしょうか。 景気が良い・失業率が低い・国の財政に心配がない等々いろいろありますが、 それでは今後数年先、日本と欧州と米国の順番はどのようになると予想しますか。 現在はオーストラリア・ブラジル・・・・・・・・・・・日本・欧州・米国 という順番です。 下位に日本・欧州・米国があるという異様な状況です。 問題は日本・欧州・米国の順番が今後どうなるかということです。 個人的には少なくとも日本が・欧州・米国より上にある状況は 将来逆転すると考えています。 今は偶然、欧州・米国が弱国になっているので円安とはなっていませんが、 欧州・米国が最弱国から抜け出す時、日本が最弱国となり ほんとうの円安が来ると予想しています。 私自身はこの個人的ストーリーをもとにした投資方針で進めています。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ■■■ あなたのお声をぜひお聞かせください! 【アンケートはこちらです!】 → http://www.chienoki.com/enq-top.php 【メールのあて先はこちらです!】 → fp@chienoki.com ◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇ 2.一緒に学ぼう、プラチナ時代のこと ~アラフォーの輝ける未来のために~ ○プラチナ時代に備える資産作り~「ETF」ってなんですか~○ 先週まで4回にわたって「投資信託」について詳しく勉強しましたが、 いかがでしたか。 「プラチナ時代に備える資産作り」 これからも今注目の資産運用術を、次のとおりピックアップしていきたい と考えています。 ○ 投資信託 ○ ETF ○ 新興国債券、海外REITファンド ○ FXと外貨預金 ○ CDF(差金決済取引) ○ 不動産投資 ■ 資産運用はなぜ必要か 今なぜ「少子高齢化時代の資産形成」にとって、資産運用が必要(有効)なのか ここでもう一度、整理しておきたいと思います。 ○ 国に頼れない 少子高齢化社会では、労働力不足となり国の収入は確実に減少する一方で、 年金、介護保険などの社会保障制度を支えるための支出が増え、 財政難の国に頼り切ることはできません。「自己資産」を確保する必要があります。 ○ 公的年金だけでは足りない 前号までのメルマガでも詳しくみてきましたが、プラチナ時代の生活資金として 公的年金だけでは生活できないという結果が出ています。 2000年には4人で1人の高齢者を支えていたのが、 2025年には2人で1人を支えることになります。 アラフォーの未来を輝くものにするためにも今から準備しませんか。 ○ 超低金利、預金に頼れない バブル崩壊後続いている日本の低金利。 リーマンショック、ユーロ圏の危機などの世界不況で 各国の金利が下がっている中でも日本は最低レベルです。 預金があっても増えることは殆どないことが明らかである以上 資産運用を考える好機といえるでしょう。 ○ 個人資産の55%の預貯金が眠っている 日本銀行の「資金循環統計」(2009年12月末時点)によれば、 日本の個人金融資産総額は1456兆円で、1人当たり1141万円。 そのうち現金預金が55%(米国では14%)だそうです。 投資信託4%弱、株式投資7%弱、債券3%、保険年金27% 現状ではまだ、日本の資産運用は本当に保守的といえます。 自己資産を上手に形成し、 さらにこの資産を賢く運用していきたいものですね。 ■ ETF(上場投資信託) ETF(Exchange Traded Fund) 直訳すると「取引所で取引される投資信託」 ETFは投資信託でありながら「株券」として市場に上場され 一般の株式と同じ様に売り買いができます。 「TOPIX」や「日経225」などの株価指数に連動するように運用される 投資信託で、わかりやすさ、買いやすさで人気が集まっています。 ■ 投資信託との違いは? 例えば、日経225(=日経平均)の場合、 「ETF」と「投資信託」とでは何が違うのでしょうか。 実は、中身は全く同じなんです。 例えば日経225の投資信託の基準価格が10円上がれば 日経225のETFの株価も10円上がります。 違いの1つは、手数料が異なることです。 一言でいうとETFの方が圧倒的に安いです。 (ただし、売買のたびに手数料がかかるので注意が必要です) また、保有時にかかる信託報酬(運用コスト)についても 投資信託が純資産総額の0.5%~2%程度に対し、 ETFでは0.1%~1%程度となっています。 2つめの違いは値段(価格)の決まりかたです。 ETFの株価は株式と同じように需要と供給によって 立会時間中(9時~15時)絶えず変動しますが、 投資信託の売り買いの価格は1日に一つ(終値)しかありません。 投資信託の方は、1日の立会時間中であれば何時に買っても 値段は同じ(15時以降の売買は翌日の値段)です。 3つめは、ETFの場合、注文方法に技を使えることです。 指値注文(自分で希望売買価格を決めて注文)、 成行注文(売買価格を指定せず市場価格に任せる)、 信用取引(売買資金や株式を持っていない時に証券会社に借りて売買できる) などが株式売買と同様に可能です。 指数連動型の投資信託を買うのであれば、ETFはお得といえます。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ■■■ あなたのお声をぜひお聞かせください! 【アンケートはこちらです!】 → http://www.chienoki.com/enq-top.php 【メールのあて先はこちらです!】 → fp@chienoki.com お気づきの点、ご感想、ご意見、ご要望等々お聞かせください。 ◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇ 3.ちょっと気になる話 ~ライフとマネーのQ&Aから~ ● 住宅ローンの選択 ● ■ 【 住宅ローンに関するご相談 】 住宅ローンの選択で、変動かフラット35sかで悩んでいます。 変動金利1.075%(店頭金利より▲1.4%35年間) フラット35s 当初10年間1.85% 11年~20年 2.85% 借入れ3,800万円35年返済 収入は、夫30歳 年収380万円 妻26歳 年収380万円 共に正社員 定年まで働く予定(子供一人2歳、もう一人2年後に予定) 銀行から借入れにかかる融資手数料は約0円 フラット35sは団信保険料や手数料(75,300円)などかかりますが 優遇処置や金利の変わらない安心もあり、 変動は低金利も魅力に感じ悩んでいます。 繰上げ返済は毎年とは行きませんが 2、3年に1度 100万から150万円程度は行っていこうと思っています。 銀行も繰上げ返済手数料は無料とのこと。 どうぞ アドバイス宜しくお願いいたします。 ■ 【 CFP伊藤からのコメント 】 こんにちは、『FP知恵の木』伊藤です。 ご相談をお寄せいただきありがとうございます! この住宅ローン選択で将来数百万円の支払利息差が出る可能性がありますが、 どちらが正解か、将来の金利がわからないため誰にもわかりません。 ポイントは「繰上げ返済は毎年とは行きませんが、2、3年に一度 100万から150万円程度は行っていこうと思っています。」 とありますが、現実的に繰上げ返済ができるかどうかを確認されることです。 住宅ローンを組む多くの方はこのようにおっしゃいますが、 お子さんが出来ると思うように繰り上げ返済ができない家庭が多いのも事実です。 繰り上げ返済を実行できる未来設計を行うことをお勧めします。 この計画ができれば返済期間が25年以下に短縮できますので 変動金利の選択もありだと考えます。 変動金利と固定金利を組み合わせることも可能です。 繰り上げ返済ができないようであれば固定金利のフラット35sが安心です。 また、フラット35sの金利について 当初10年間1.85%よりも低い金融機関がありますので こちらも検討されることをお勧めします。 当社で未来設計作成のお手伝いも行っていますので、 もしよろしければホームページをご覧になりご参考にされてください。 またのご相談やご感想、お待ちしております。 ありがとうございました!